出典:BMWBLOG
冬場のBMW F30 320dのメンテナンスのひとつにディーゼル車特有の軽油の問題がある。軽油が「凍る」という現象のこと。
東日本とか北海道では、あたりまえのように寒冷地仕様のBMW F30 320dなっていると思われるし、入れる燃料も地元で入れればほぼ気温に対応した基準の軽油が給油できるのだから、
あまり問題視はされないはずなのだが、今回ここで取り上げたのはそこではなく、
普段西日本寄り、南に住んでいる人たちがレジャーや帰郷で普段とはまったく異なる寒い土地に行ったときのことである。
「ディーゼルの軽油が凍る」なんて暖かい気候の地域に慣れた人達にはピンとこないと思うが。だからこそキケンなのである
事前に心の準備も含めて知っておくと予防策ができるF30 320dのディーゼルエンジンの冬の予防対策をどうぞ!
目次
寒冷地仕様だけでは防げない燃料のこと
ここでいう冬のF30 320dへは東北や北海道では「寒冷地仕様」にもちろんなっていているのでわざわざ気にしていない人のほうが多いのだろうが、
私のような西日本に住んでいるものが冬に東北に愛車で出かけるとしたら…。
それなりの予防方法と対策が必要になる。エンジンそのものとか車自体はほとんどダメージを受けることなく動くのだろうが、一番の問題は軽油(燃料)にある。
軽油の凍結とは
軽油中にはワックス成分が存在しており、低温になるとそのワックス成分の結晶が分離します。
この結晶が多いと燃料ポンプのフィルタを詰まらせ、エンジンがかからなくなります。この現象を凍結と言っております。
「凍結」というが実際には軽油自体が凍ることはないらしい。
凍結しにくい軽油の種類
軽油にもハイオクやレギュラーというようなガソリンのように種類がいくつかある。
通常のガソリンスタンドで一般に販売されているのは1種類のみですが、季節と地域によって軽油が凍結しないように製油所で数種類を作り分け、出荷されているそうです。
軽油の種類は、左から低温流動性が高い(凍りにくい)順に特3号>3号>2号>1号>特1号、と種類があります。
燃料 | 凍結温度 |
---|---|
特1号軽油 | 5°C以下 |
1号軽油 | -2.5°C以下 |
2号軽油 | -7.5°C以下 |
3号軽油 | -20°C以下 |
特3号軽油 | -30°C以下 |
号数 | 時期 | 地域 |
---|---|---|
3号 | 12月 | 北海道全域、東北、中部地方山岳部 |
1月~3月 | 道南、東北、中部地方山岳部 | |
特3号 | 1月~3月 | 北海道 |
320dの軽油の凍結予防策
元々寒冷地仕様車を乗っているのなら、このくらいのことはご存じだろうが意外と知らないのは俺たち西日本の人。
俺も違うものを調べていたときにたまたま見つけた。
気温が低いだけでこんなことがあろうとは考えても見なったのが本音です。
そこで私たちが気を付けなければいけない予防策は、もし遠くのスキー場のような寒冷地に行く場合、その土地にあるガソリンスタンドで給油すること
先述したように一般的に販売されていない低温流動性に優れた等級の軽油も寒冷地ならば売られているというわけです。
で、ここで出てくる疑問?どうやって?
ですよね、その場所に向かう訳ですから行く燃料もいるのに…。
ご心配なく何も問題ありません、行くまでは普通に暖かい地域から行くのでそのまま向かいすぐにその土地で給油。
この時に気をつけてほしいのが、目標の場所に到着した時点でタンク内の軽油が1/2以下になるようにはじめから少な目がいいです。なぜならそこで3号、特3号の軽油を入れても、タンク内の他の等級の軽油の残量が多い場合、混ざってしまい凍結する可能性があるからです。
それでも、もし凍結してしまったら…
中に入っている軽油を取り除くことはできませんから、ただ単に気温の上昇を待つ。のみ(笑)
気温が上がれば、自然とエンジンがかかるようになるのでそれが目安。急いで最寄りのスタンドに行って低温流動性の高い軽油を入れてください。
ガソリン車の凍結は?
一応、とりあげておきますがガソリンは凍結しません。どんなに寒い地域でも何も問題がありません。
これからのディーゼルエンジン
国内メーカーではマツダの「SKYACTIV-D」の代表格「クリーンディーゼル・エンジン」は、従来のディーゼルエンジンと比較して排気のクリーン化や燃費性能の向上などが図られた優れたディーゼルであることは周知のとおり。
BMWもメルセデスもボルボも欧州車を中心にさまざまなメーカーが多用なディーゼルエンジンを開発している昨今の車事情をみると、F30オーナーよりもさらに新しく出る新型3シリーズのG20からはさらにディーゼルユーザーは増えると予想されます。今後こういったディーゼル特有のクリアすべき点も多くのBMWディーゼルユーザーが把握しておく必要が出てくるでしょう。